去年しまった石油ストーブに灯油が残っていたままだった。この状態で、石油ストーブを使っても大丈夫でしょうか?使う場合の注意点と、使えない場合の対処法を紹介します。
石油ストーブに灯油が去年から残ってたけど使える?
石油ストーブを押入れから出してみたら、タンクの中に去年の灯油が残ってた。空焚きして燃やしたと思ってたけど、一昨年の記憶のようだ(^^;
タンクを明けてにおいを嗅いでみたけど、酸っぱいにおいはしないようだ。これってそのまま使って大丈夫だろうか?
答えは、変質灯油になっていなければ使っても大丈夫である。
専門家によると、きちんとした保管をしていた灯油であれば、1年程度で極端に変質することはないのである。そもそも灯油は変質しにくい性質の製品なので、保管方法を間違えなければ1年くらいのものは使っても平気なんですね。
灯油を変質させる要因は、紫外線による劣化、高温保管による変化があります。今回のケースでは、タンクに残っていた灯油で、紫外線にはいっさい影響を受けていないし、部屋の中の押入れに保管していたので、余程の高温保管にはなっていないはず。問題になるのは、日の当たる野ざらしになってる物置の中に保管していたとか、夏場はすごく高温になる屋根裏部屋の保管していたなどのケースでしょう。
では、変質しているかどうか、簡単な判断方法がある。
透明なコップや瓶などに、水をいれて、その上に昨年から残っていた灯油を水と同量だけそそぎます。灯油も油なので、水の上に浮かんで完全に分離します。この状態で、コップの向こうに白い紙を置いて、上半分と下半分で色の違いがなければ変質していないと判断できます。少しでも色が変色しているようだと、変質しているので使わないで下さい。
ちなみに、確認するには、タンクの中から灯油を吸い出して、コップに入れるわけですが、間違っても水と混ぜた灯油をタンクに戻してはいけないですよ。水が混じった灯油はストーブに悪影響を与えます。
灯油を去年の分に混ぜるのって大丈夫?
昨年のからの灯油が石油ストーブの中に残っていた分と、新しく買った灯油を同じタンクに混ぜても大丈夫でしょうか?
安心して下さい。大丈夫です。
昨年の灯油がタンクに残っていて、見た目で変質してなくても変質しかかっていた場合だとしても、新しい灯油を混ぜて、変質が新しい分にも影響するかというと、影響しないのです。むしろ、変質した部分が薄まって、より安全に使うことができます。
残っていた灯油だけを石油ストーブで燃やして、変質した部分がストーブを劣化させる確率がより下がるといえますね。
灯油をポリタンクで昨年から残ってた場合
ストーブではなく、ポリタンクに保管していた昨年の灯油はどうでしょう?基本的にちゃんと灯油用のポリタンクで、冷暗所で日光が当たらない場所に保管していたのであれば、1年程度は変質しない可能性が高いです。
ちなみに、灯油用のポリタンクというのは、赤や青の色のついたもので、光が当たっても中に影響しにくい状態になっています。白い色のポリタンクは灯油用ではなく、水を貯めるのに使うものなので、間違って購入しないように気をつけましょう。
保管状態を比較したデータによると、白いポリタンクで保管していた灯油は、約半月で変質が始まり、3ヶ月後には完全に変質してしまっていましたが、青いポリタンクの場合は、3ヶ月後でもほとんど変質していないという結果になっています。明らかに保管する時の違いになりますので気をつけましょう。
変質してしまった灯油は絶対に、石油ストープやファンヒーターでは使わないで下さい。石油ストーブだと、芯に変質した灯油が燃えないで付着してタール状に固まり、燃焼を阻害しストーブとして使えなくなります。ファンヒータでは燃焼機関の部分に変質した燃えにくい物質が貯まって燃焼不良を起こして、いやな臭いの煙を出したりします。そうなると、修理するにも、保証がきかなくなりますし、新しく買った方が安くついたりします。